全然使える!美容室居抜き物件での独立開業は問題ない
2017.04.06
「居抜き物件の美容室」と聞くと、不安に思う美容師さんもいるでしょう。
独立開業予定の美容師さんの中で、居抜きでの開業を考えている方はどのくらいいるでしょうか?おそらく少ないと思います。
「独立するなら自分の思い描くサロンを作りたい」「サロンを持つならこんな風にしたい」
といった思いが少なからずあるはずです。
そして、「他の誰かが作ったサロン」「そのサロンのイメージがすでにある」「設備とか古そう」
というように居抜きに対して感じるでしょう。
その通りでしょう。美容室の居抜きというのは中古物件ですから。
けれど、あなたの美容師歴が10年もあれば考え方が変わるかもしれません。
居抜き美容室でも独立開業し、普通に営業していくことは可能です。
私は、10年以上美容室として営業してきたサロンを居抜きで買取り、3年経ちましたが今のところ問題はありません。
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美容室の設備機器は十分使える
あなたは、美容師として何年経ちましたか?5年?10年?
勤めている美容室にもよるでしょうし、勤続年数でも変わるでしょうが、聞いてもいいでしょうか?
- 「シャンプー台が壊れた」
- 「お湯が出ないなどのボイラーの故障が頻繁にある」
- 「エアコンが全然効かない」
- 「スピーカーから音が出なくなった」
- 「トイレの水が流れない」
- 「照明がよく消える」
といったことに遭遇したことがありますか?
あったとしても、忘れてしまうくらい少ないのではないでしょうか。
私は、独立前に勤めていた美容室は数店舗ありますが、上記のような経験をしたことはありません。
1つ記憶にあるとすれば、ボイラーの温度調節が不調になったことくらいでしょうか。
「居抜きだから、もう使えない」なんてことはありません。
設計士さんに見てもらう
とにかく、美容室の設計施工が得意な設計士さんに確認してもらいましょう。
美容室の開業に多く携わる設計施工会社さんであれば、経験豊富で的確なアドバイスがもらえると思います。
美容師のあなたが見ただけで判断するべきではないです。
空調設備(エアコン)
私が設計士さんに言われたのは、「大体、寿命としては10年ですよ。このままでもいいですけど、新しいエアコンに交換した方が節電になると思いますよ」と。
10年以上経つが普通にリモコンも使えるし、エアコンの効きも悪くない。
年式の新しい業務用エアコンに変えると工事費込みで60〜70万円。天井に埋め込んであったりするあの正方形のエアコンです。
「変えなくてもいいかも」と思っていましたが、『省エネ・節電』「電気代安くなりますよ」という設計士さんの言葉を信じて、交換することを決めました。
3年使ってみての感想は、問題ないですが電気代がすごく安くなったという実感はないです。
ボイラー(給湯器)
私が居抜きで買取りした美容室のタカラのボイラーもやはり10年以上経つものでしたが、特別問題は見当たりませんでした。
一応、タカラの担当者の方に来てもらい確認をお願いしたところ、エアコンと同じようなことを言われました。
「使えなくはないですがだいぶ古いですね。今出ているボイラーの方が省エネでガス代の節約にもなりますよ」ということでした。
とりあえず、シャンプー台の数や営業での使い方を伝えて、それに合うタイプのボイラーを候補としてあげてもらい、交換することに決めました。80万円しないくらいだったと思います。
3年使いましたが問題ありません。ガス代は少し安くなったような。。という感じです。
エアコンもボイラーも毎日の営業では基本フル稼働です。途中で壊れてお客様にご迷惑お掛けするかもしれないという不安を抱えて、営業していきたくないという思いもあったので交換しました。
10年以上も前の型であれば、新しい年式の方が省エネであるのは当たり前なのでしょう。
これがまだ5、6年とかであれば間違いなく交換しなかったでしょう。
なんだか10年という言葉の響きに『そろそろ交換かな』と思わされた気がします。ただ、交換したことに後悔はないので、しっかりとアドバイスしてもらえてよかったです。
内装工事は極力しない
せっかくの居抜きです。すでに美容室として仕上がっている状態です。
ここで内装を変えることは、居抜き物件の最大効果が発揮できません。
美容室の居抜き物件とは、
- 内外装が出来ている
- 設備機器が使える
- すぐにでも営業スタートできる
- 初期投資が抑えられる
ということです。だからこそ、余計なお金は使うべきではないのです。
私がそうだったのですが、初期投資を抑えることができる分、
- 「どこか新しく変えれないかな」
- 「なんかイメージ変えたいな」
- 「ここはもっとこうしたほうがいいかな」
と、余裕のできた資金を内装や設備に投資したくなってしまったのです。
結果、どうしても自分の中で譲ることができなかった箇所を必要最低限ではありますが、
- 内壁の壁紙の上から塗装(自分たちで)
- セット面テーブルの張り替え(自分たちで)
- スタッフルームからフロアが見えるようマジックミラーの設置(施工会社)
ということをやりました。
お金も時間も掛かりましたが、やって後悔はありませんでした。
本当は、ほぼ全面改装で設計士さんに見積もりを出してもらったところ、スケルトン物件からの工事費用と大差ないということで、内装工事したい気持ちを抑えたのでした。
設計士さんにも「やるなら一気にやった方が安く済む。けど、やらなくていいと思いますよ」と言われました。
他にも先輩には「居抜きの意味がない。絶対にやらなくていいよ」と。
本当にその通りだと、今は思っています。
よほど古くて汚い居抜き物件であれば、最初から選ばなかったでしょう。「大丈夫、使える」と思ったから決めたのですから、基本的には余計なお金を使うべきではないです。
必要最低限の準備だけで営業開始できる
居抜きの状態でそのまま営業できることが大事です。
必要なのは【看板の交換】くらいでしょう。
私は、表の看板とフロントのサロン名を交換しました。
当然ですが、前のサロン名のままオープンすることはできません。
あとは、新規出店と同じです。
- インフラの整備(ネット・電話など)
- 必要な備品・事務用品の用意
- 名刺やホームページといった販促物の用意
- 材料、什器などの準備
- 開業手続き
など、自分の事業計画書に沿って準備すればオープンできるはずです。
まとめ
美容室の居抜き物件は、営業年数や使い方にもよりますが、よほどのことがない限りそのまま営業スタートするべきです。
普通に使用していれば設備機器も十分に使えるはずです。
大事なのは、居抜き物件での開業に必要以上のお金は掛けないことです。
美容室の年間廃業数で考えると、居抜き物件は探せば結構あるはずです。
原宿、表参道あたりでも居抜きの美容室はあります。
居抜き店舗での出店を検討するときは、自分の事業計画にある程度当てはまるのか、美容室としてまだまだ営業していけるのかをチェックしましょう。