美容室の共同経営は本当によく考えるべきだな。と思わされた話
2018.01.11
『美容室の共同経営』私も考えたことあります。
考える美容師さんも多いと思います。
会計士さんからよく聞きます。「最近、多いんですよね。共同で独立する美容師さんたち」と。
そして、言われたのが
- 「でも、相手にもリスクを背負わせることにもなるのにね。。」
- 「本当に仲が良いなら、それが正解とは限らないかもしれない」
確かに。自分が美容師だからなのか、違う視点で考えることができていなかった。
ということで、共同経営について会計士さんといろいろと話してみたわけです。
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美容室を共同経営にする目的は?
いくつかあると思いますが、会計士さんから聞く話で多いパターンが「独立開業のリスクを少なくしたい」です。
確かに、独立にはリスクがあります。サロンという店舗を構えないでフリーランスとして活動するなら、話はまた変わるでしょうが。
情報社会の今、美容室の廃業率なども周知のことでしょうし、美容師続けてきてれば競争が激しすぎることも肌で感じているはずです。
大きなお金が必要となる美容室の開業で失敗した時のこと考えると「リスクは少なく」という気持ちになるのでしょう。
美容室の共同経営は本当にリスク少ないの?逆にリスク増えるという考え方もあると思う
確かに、自分一人の単独で開業できるくらいの小規模な美容室を2人で共同経営する。
これなら資金的には半分の負担で済む。リスクも少ない。
でも、これ2人でやる必要あるの?
リスク少ない代わりに利益も少なくなる。
それに、リスクとはお金の面だけではないでしょう。
何か判断が必要となった時、お互いの意見が食い違うリスクも絶対ある。
- これ欲しい。いや必要ない。
- あれやりたい。いや難しいでしょ。
こうやって相談する相手がいるというのも共同経営のメリットだとは思うが、判断が遅れるリスクも生じる。
小さな美容室で個人事業ならフットワーク軽めに、やりたいことを自由にやれる決めれるというのもメリットなのに。
私には似たような経験があります。
美容室ではないまた別の会社経営者の友人に「〇〇(事業)を一緒にやらない?」と誘われました。
最終的なゴール地点(こうなりたい!という部分)は同じだったのですが、結局最後はやめました。
目指すゴールが一緒でも、そこにたどり着くまでのやり方が違ったのです。
その事業で成果を出すなら、
友人「〇〇でやっていくのがいいと考えている」
私「いや、△△で考えているんだよね」
どうしても、考え方は同じでもやり方が一致しなかったんです。
別にお金出し合っていたわけでもないし、ケンカしたわけでもなく、最終的にはお互い同じく『今回の話は見送ろう』となりました。
やっぱり難しいです。判断遅れるし、進まないし、打ち合わせに使う時間ばっかり増えていきます。ただ、こういう話し合いするのも楽しかったりはしますが。
美容室の共同経営の話ではなかったですが、同じようなこと言えると思います。
個人のお金のリスクは少なくても、事業としてのまた別のリスクが増えることも考えられるわけです。
美容室の共同経営は高め合えるパワーバランスが取れればやってみたい
別に共同経営を否定しているわけではないです。むしろ興味ありますし、やってみたい気もする。
「〇〇なサロンにしたいね!」というような、同じ夢を追いかけるのも楽しいだろうし、本当に実現できたら嬉しいでしょうから。
もし、私が美容室を共同経営するなら【パワーバランス】を重視します。
何か一緒にやるのであれば、自分1人の能力では達成するのが難しいことをやりたい。
自分1人で出来そうなことなら、リスク分散させてまで一緒にはやらないでしょう。
例えば、
- 経営能力は高いが人材育成が苦手
- 人材育成に長けているが経営が苦手
みたいに、お互いの持つ能力のパワーバランスが取れて達成できるのであれば、美容室の共同経営は魅力的だと感じます。
『1人じゃ小規模でしか開業できないけど、共同ならもっと大きな美容室を開業できるし、発展させていける』という方がやってみたいです。
リスクを分散するという考えではなく、リスクは大きいけど成功した時も大きいという考えのもとで、共同で独立開業してみたいですね。
ただ資金的リスクを分散して利益も分配して、個人事業規模の小さな美容室を共同経営することには魅力が感じられません。
【1÷2=0.5】より【1+1=2】の方がいい。どっちが正解で成功するかとかではなく。やるのであれば。
すでに、1人で独立開業しているからこういう意見になってしまうのでしょうが。
もちろん、リスクを分け合う【1÷2=0.5】での共同経営もありだとは思います。
私の知っている【1+1=2】の共同経営の美容室は無くなりました。美容学校時代の同級生という仲の良い関係でありながら、残念ながら最後はその関係性も崩れてしまい。
勝手な見解にはなりますが、やっぱりパワーバランスが取れていなかった気がします。
お互いがサロンに立ち、オーナースタイリストとして営業する場合は、さらにパワーバランスが大事になるんじゃないのかなと思っています。
例えば、どちらかは資金と経営能力を持って完全に経営を。もう片方は人材を持って育てながら売上を上げていく。というような形の方がいいのかなとか。どちらにせよ、簡単なことではないのは間違いないのでしょうが。
なんか関係性まで崩れて、どちらかのオーナーが店を離れることになったり、残された方のオーナーは負担が増えて移転縮小を余儀なくされたり。なんてことになってしまうリスクもあると思うと、共同経営は本当に慎重に決めるべきだと思わされます。
仲の良い友人と共同経営するということは・・・
美容室を共同で独立開業するときって、どちらか一方が声を上げてはじめて動き出すと思うんです。お互いに一緒にやりたい気持ちがあっても、最初に言いだす方がいるでしょう。
そして、独立開業を誘うということは相手にも「リスクを背負ってくれ」ということにもなるんです。
「同じ夢を持つ仲間だから一緒に独立するのが正解とは思えない。まずは1人で独立してから考えてもいいんじゃないのかな」と会計士さんは言っていました。
私は、自分1人で独立して今があるのでわかりますが、やっぱり自分と同じリスクを仲のいい友人にも背負わせるのであれば、それ相応の覚悟が絶対に必要です。会計士さんの言いたいことはわかります。
2人で独立開業するのではなく、お互いが独立して安定してから余裕があり、その時2人でやりたい気持ちがあれば考えてもいいのではないか。私も今はそう思います。
お互い自分の開業した美容室経営で余裕ができれば、お互いが持っていないものを補って達成できるものがあれば、そこで共同経営という形で新たな美容室を作る。
この共同経営の考え方の方が好きです。
美容室の独立開業でリスクを分散できても、経営に失敗する可能性がゼロになるわけではない。失敗すれば借金背負って廃業する可能性があることに変わりはありません。
まずは1人で独立して力をつけてから一緒にやった方が成功率も上がるのではないでしょうか。
まとめ:美容室の共同経営にも考え方はいろいろある
これが絶対正解なんて独立開業はないと思うから、1人でするにしても共同経営するにしても自由にやれることが大前提だと思うわけです。
独立するなら自分のやりたいことを。
自分のやりたいようにやれず、失敗したら後悔しかありません。
美容室を共同経営するならよく話し合って、間に会計士さんなどの第三者も入れて進めるべきだと思いました。
共同経営したことはないですが、今回の会計士さんの話にはいろいろと考えさせられました。
他にも色々話しました。
・美容室が潰れる時はどんな時?わかってないまま独立開業は危険