美容室でお客様が激怒するようなクレームを出さないために気をつけていること
2018.01.15
美容師という仕事に限ったことではないですが、アシスタントやスタイリストという立場に関わらず1度は経験したことあるでしょう。
『クレーム』
でも、お客様が怒っているわけでもなく、お直しで解決できるものであればいいんです。(クレーム出しても良いということではなく)
絶対に回避したいのが精神的ダメージが大きいクレームです。お客様がお怒りになること。
私がこの恐いクレームを回避するために意識していることは、
『正直に誠意をもってお客様を担当する』
です。
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お客様が怒ってしまうクレーム
私は何度か経験しています。
アシスタント、スタイリスト、オーナーというポジションすべてであります。
お客様にも苦い思いをさせてしまい申し訳ないですが、美容師としても結構なダメージを受けます。
こういったことをきっかけに辞めたいと言い出す子もいます。
お客様を怒らせてしまうことは、美容師として絶対に避けたいはずです。
クレームにも色々なパターンがあると思います。
美容室で起きるクレームの種類
私は、お客様からのクレームを大きく2つに分けています。
1,施術のミスが原因のクレーム
2,接客応対が原因のクレーム
ほぼこの2つに分けれると思います。
1,施術のミスが原因のクレームとは
お客様の希望する仕上がりと違う結果となったときに起きるクレーム。
カット、カラー、パーマなどの技術的なことが原因であったり、これら作業に関連して不快感を与えてしまったとき。
お客様にも色々な方がいて、人それぞれ許容範囲も違います。細かいことは気にしないという方もいれば、少しの違いも気になるという方。
- カラーが染まっていない
- 希望の色と違う
- パーマが落ちてしまった
- パーマのかかり具合が左右で違う
- ダメージが思ったより気になる
- カットの仕上がりが気になる
- 耳を切ってしまった
- 薬剤が目に入ってしまった
など、たくさんあると思います。
施術によるクレームが起きる原因は
施術中に耳を切ってしまったり、パーマ液が目に入ってしまったりといったミスは、意識して施術することで回避できるでしょう。
しかし『希望の仕上がりと違う』となったとき
美容師の単なる技術経験不足が原因なら、練習勉強し経験を積んでいくしかないことでしょう。
でも、そうではなく【お客様の髪の状態に左右されてしまうとき】これわりと多いと思うわけです。
- パーマができない状態
- カラーが入らない状態
- カットではどうにもならない状態
お客様の希望するスタイルによって出来る出来ないがあります。この辺はある程度の美容師歴があれば説明不要かと思いますので。
お直しで満足のいく仕上がりに直せるのであればいいですが、直しようもない状態になってしまったら最悪です。
施術によるクレームを出さないためには
たくさん注意すべきことはありますが、特に注意すべきが『お直し』できない状態を作らないこと。髪の毛が限界を超えた状態にしないことです。
私は『出来る出来ない』をはっきりとお伝えするようにしています。
- なぜ出来ないのか
- もし施術したらどうなるか
- 他の方法でご希望に近づく最善策の提案
これらをきちんと説明した上で、それでも「どうしてもやりたい!」と言われることもありますよね。
そんな時でも『申し訳ありませんが私の持つ技術では出来ません』とはっきりと伝えます。
でもここまではっきりとお伝えしなくちゃいけない時は、そのまま施術してもお客様に悲しい思いをさせてしまうことを確信しているからです。私がお客様の髪の状態を把握し間違えていなければですが。
美容師があやふやな返事をしてしまっては、お客様の方が不安となるでしょう。でも、きちんと説明した上で他の提案をすれば、ほとんどのお客様には伝わります。
他の提案を受け入れてくれる時もありますし、施術をせずにカウンセリングだけで帰られる時もありました。
施術をせずにお帰りになり他の美容室に行くのかもしれません。私はそれで良いと思います。お客様が決めることなので。
2,接客応対(対応)が原因のクレームとは
これもお客様の感じ方もいろいろであり、美容室ごとでサービスも違うので100%正解は難しいとは思いますが。
- 電話応対が悪い
- 持ち物にカラー剤が着いていた
- 毛だらけの席に案内された
- 予約の取り間違え
- お会計の間違い
など、いろいろでしょう。
『応対と対応』どちらも同じように使ってしまいがちですが、ちょっと違う意味合いとなります。
私が思うにお客様に不快感を与えてしまう根本的な要因は『応対』が原因となっていると思っています。
接客応対で起きるクレームの原因とは
美容師という技術職ではありますがサービス業という仕事でもあります。
お客様にサービスを提供する側という立場を理解してない。理解はしているが、その意識が薄れてしまっている。この状態がお客様の怒りを買ってしまう原因となっていると思います。
ちょっと小難しく感じるかもしれませんが、お客様を怒らせてしまったことがある美容師なら、自分でも思い当たる部分があるのではないでしょうか。
私もお客としてサービスを受ける側になるときがあります。例えば、飲食店に入った時とか。
そのお店というより、そこの店員さんの接客応対が不快に感じてしまうときがあります。
ちょうど先日のこと、スタッフとちょっと贅沢なお肉を食べに行った時の話です。
当日はコース料理でした。そして、メインの料理が出てきて気づいたのですが、前菜のある1品がまだ出てきていないということに。
私「これはいつ出てきますか?」コースのお品書きを指して聞きました。
店員「まだ出てきてないでしょうか?」
私「そうですね。まだ出てきてないと思います」
店員「六角形の小鉢の入れ物なのですが・・」
私「う〜ん、出てきてません」
店員「申し訳ありません。すぐお持ちします」
私「お願いします」
というやりとりがありました。
感じ方は人それぞれですが、私は『おいおい、ちょっと違うのでは』と感じたわけです。
私がその時の店員であれば、以下のように対応します。
「大変申し訳ございません。すぐにお持ちいたします」
もし、お客様に確認するのであれば(しないですが)、
「大変申し訳ございませんでした。こちらの確認不足で申し訳ないのですが、六角形の小鉢の入れ物は出てきてはいないでしょうか?」と聞いた上で、「ありがとうございます。すぐにお持ちいたしますので少々お待ちください」とお伝えします。
まあ、絶対お客様に確認はしないですが。
だってそうでしょう。そもそも、店側で出したかどうかはチェックしていることですし、そのことをお客様に確認するなんて失礼でしょう。
そんな店ありますか?例えば、居酒屋で唐揚げ注文したけどまだ出てきていないから聞いてみた。そしたら「出てきてないでしょうか?〇〇のような入れ物で唐揚げが4つなんですが・・」なんて確認されたことありますか??
そんなこと言われても知らんとなるでしょう。確認などせずに「すみません!」と言われ、出したかどうかをチェックしに行くでしょう。
実際、文句などは言ってません。しかし、店員の今回の対応には不快感しか覚えません。もう分かりますよね?
謝罪もなしにいきなりお客様に確認しますか?お客様を疑うようなことしますか?
今回の店員さんには疑っているというような悪意は感じませんでしたが、お客様によっては怒ってしまう方もいると思います。
この話では店員の『対応』でしたが、美容室でのカウンセリングや気遣い(サービス)は、お客様のことを思ってお客様と対話しサービスを提供する『応対』が大切だと思います。
接客応対でクレームを出さないようにするためには
お客様への『気遣い』です。
- お客様がしてほしいこと
- お客様がしてほしくないこと
これをお客様の表情や会話、状況などから感じ取る必要があります。
これも私のサロンであった話ですが、新規のお客様がご来店した時の話です。
季節は夏、暑い日中にお電話で「道に迷っていてわからない」と連絡がありました。私は接客中。アシスタントが道案内をし無事サロンまでご来店頂けたのですがたのですが、ほんのちょっとお怒りの様子。感じが悪い。受付をしたアシスタントに「もっとうまく説明できないの?!」と小言。
暑くて道にも迷ってしまいお客様はなんだか気が立っていたご様子。お気持ちわかります。
その時のアシスタントの応対が素晴らしかったです。
『先ほどはうまくご案内できずすみませんでした。暑い中ありがとうございます』と言って、席にご案内しました。そして、冷たいお茶と冷たいおしぼりをすぐにお出ししていました。
お帰りの際にそのお客様に言われたのが「暑くて感じ悪い態度とってしまってごめんなさいね。あの子にもごめんねと伝えてね」と。
アシスタントの気遣いがあったからでしょう。私が指示したわけでなく自ら動いてくれたのです。
そんなこと当たり前と思うかもしれませんが、それでも私は『いい動きしてくれてありがとう』という気持ちになりました。
クレームにならないようにするのが1番
- 時間通り来たのに待たされたら嫌でしょう
- 雑に扱われたら嫌でしょう
- 髪がボロボロになったら嫌でしょう
- 否定されたら嫌でしょう
嫌なこといっぱいあるでしょう。
- 一言お声掛けがあったら不安にならないでしょう
- 丁寧にやってほしいでしょう
- 髪を綺麗にしてほしいでしょう
- 認めてもらえると嬉しいでしょう
ちょっとした気遣いが嬉しかったりするでしょう。
お客様一人一人に合わせてパーフェクトは難しいですが、嫌なことをしないように徹底することはできると思います。
クレームを回避するには【お客様が嫌だと思うことをしない】が、まず1番に大事だと私は思っています。マイナス要因を作らない。
ご満足していただくためにはプラス要因が必要となるとは思います。
ただ、クレームを未然に防ぐにはマイナス要因を作らないようにする。
それでも、ミスする時はありますが誠意をもって対応すれば、大きなクレームになることはありません。
しかし、どうしようもない時もあります。ストレートに言ってしまえば『本当にわがままで厄介なお客』は、ごくごく稀に来店する時もあります。
連絡もなしにかなり遅刻して来て急いでいると。自分の予定通りに終わらないと怒り出す。みたいな、理解しがたいお客。もちろん新規客。正直、お客様とは思えないです。もう2度と来てほしくないですね。
こういった場合は、事故にあったと思ってすぐ忘れるようにします。
クレーム回避のまとめ
新規客のカウンセリング時間は長めに取る
危ないと感じたら「出来ない」と伝える
とにかくマイナス要因を作らない
この3つを私は日頃から意識してやっています。当たり前といえばそうなのですが。
お直しで済むレベルはいいんです。きちんと対応すれば大きなクレームにはならないでしょうし。でも、お客様が怒り出すような状態は絶対に回避するべきです。
大きなクレームは精神的ダメージも大きいです。少しお金は必要ですが、万が一のことも考えて絶対に損害保険にも加入するべきです。
また、美容室経営者として困った客(クレーマー)からスタッフとお店を守るためには、クレーム対応の上手なやり方は学んでおくべきです。中々、きちんと学ぶ機会がないでしょうが、接客業としてクレーム対応の教科書的なものは常備しておくと良いです。
それと、たまにいますが「すみません」「申し訳ありません」とすぐに謝れない人。コレ気をつけたほうがいいです。大きなクレームに発展することになりかねませんね。