美容室新店の融資審査で2回目の事業計画書を作った話
2019.06.03
タイトル通り、新規出店のためにお金を借りたかったので事業計画書を書きました。
ちなみに2回目です。2回目と言っても、1回目の融資審査で落ちたわけではなく、2店舗目となる新店出店の融資審査のための事業計画書です。
参考になるかはわかりませんが、久々に美容室出店のために事業計画書を書いたので備忘録としても書き残しておこうと思います。
2回目だけど事業計画書を練るのは難しい
今回(2回目)も1回目と同じく『日本政策金融公庫』での借り入れです。
やはり緊張感あります。なぜだか、自宅で緊張しながら書いています。
というのも融資審査で融資担当の方に見られるからです。
この事業計画書だけが判断材料となるわけではないですが、見通しの立たない事業にお金を貸してくれることはないので慎重になります。
かなり考えます。
それこそ、美容師として独立開業の際の創業計画書(事業計画書)をはじめて書いた時は、何度も考え直したり、計算し直したりして、すごい時間掛かったのを覚えています。
頭の中で考えていることをうまい具合に整理して事業計画書にする。
それも自分用として自分だけが理解できればいいモノでもなく、融資審査を担当する方にもきちんと伝わる必要がある。
思い返すと同じような個所で考える時間が掛かっているんですよね。
1回目の事業計画書についての記事は『美容室独立開業のための事業計画書の完璧な書き方』になります。
スポンサーリンク
『取扱商品・サービス』でまた時間が掛かる
これです。サロンのメニュー構成やウリといった部分です。
かなり大事な箇所です。
自分が経営していく美容室の売上や必要客数などに関わる重要なとこ。
今回出店する美容室は、1店舗目とは場所が違うし、メニュー構成も多少異なるため、1店舗目の時と同じ内容をそのまま使うことができません。
また、自分以外の誰かに営業をしてもらうため、利益を残すためにもしっかりと計算する必要があります。
自分がオーナースタイリストとしてメインで売上立てることができないとなると、他スタッフありきの運営となるので、1店舗目よりも労働分配率が高くなります。
2店舗目だけで考えたら、1店舗目より自分に残せる利益が減るということです。
これは仕方のないことです。
例えば、スタッフ3人で売上200万で人件費90万の場合は人件費45%となり、労働分配率が45%となります。
スタッフ3人で売上260万で人件費が同じく90万の場合は人件費34.6%となり、労働分配率も34.6%となる。
要は、労働分配率が低いほど会社に利益が残せるようになるわけです。
同じ人件費でも売上高が高ければ労働分配率が低くなる。
とは言え、業種的に技術職の美容師は歩合制であることがほとんどなので、売上が上がれば労働分配率も比例して高くなりやすいので、これまた仕方のないことです。
仮に、美容室で高単価で客数も多くこなして売上もあるスタイリストの給与を固定給としたらどうでしょう?
頑張って売上ても、長時間働いて売上ても儲かるのは会社だけ。
これでは、独立もしくは他店に移りますよね。
とにかく、サロンコンセプトから外れないよう、スタッフにも良い待遇にできるよう、会社にも利益が残せるようと考えていると難しいです。
色々と絡んでくるので難しく考えすぎずにシンプルに考えるのをオススメします。
自分がいくら欲しいのかを先に決める
店舗規模、席数やスタッフ数が決まっていれば、
- 自分がどれくらい利益を出したいか(これ大事)
- 人件費、家賃などの固定費+他経費はどのくらいとなるのか
自分(会社)に50万の利益が残るようにしたい。スタッ3名、経費は全部で200万掛かる計算。であれば、250万の売上が必要ですね。
席数とスタッフ数がわかれば、回転数もだいたい決まってきます。
- 月250万の売上をスタッフ数で割ります。
- スタッフ1人あたりの必要売上が約83万。
- スタッフの稼働日数21日なら83万を21日で割ると約39,500円。
- スタッフ1人の1日平均売上39,500円必要。
- この39,500円をどう売り上げるのか考える。
客単価1万円なら約4名を担当してもらう必要がありますね。
こう考えるとメニュー構成や料金などの設定が見えてくるかもしれませんね。
独立開業、新規出店するわけですから自分がどのくらいの収入を得たいのかが大事です。
年収1億!という目標で逆算して考えていっても良いんです。
あなたの事業計画書ですから。
ちょっと話がそれた気がしますが、メニュー構成と価格設定は慎重に決めましょう。
なんにせよ、経営方針やサロンコンセプトが決まっているなら、自ずと決まってくるとは思いますが。
『必要な資金と調達方法』も調べるのに時間が掛かる
店舗物件がある程度決まっている段階でないと記入するのは難しいです。
独立開業して美容室をオープンさせるのに必要な資金です。
- 物件取得にかかる費用や工事費などの見積もり
- 工事費や設備機器などの見積書
- 初期材料や広告費
- 人件費など含め必要な運転資金
など、初期投資として必要なお金の計算であったり、取引する設計会社や材料の仕入れ先の見積書が必要となります。
諸々、決まっていれば計算するだけですが、色々と調べて決めて準備するのには時間も掛かるかと思います。
こういうの簡単に済ませたいなら、タカラさんとかで頼むとスムーズでしょう。高いけど。
『事業の見通し』も何度も計算の繰り返し
独立開業する美容室の収支予測を立てます。
融資審査で重要視されます。
計画に無理がないか、きちんと利益の出る計画なのか。
運転資金を考えるときにも絶対に必要となります。
運転資金の考え方は『美容室を潰さないために運転資金がめちゃくちゃ重要だと開業して実感した』を参考にしてください。
できれば会計士さんと相談しながら収支予測を立てるべきです。初めての美容室開業ならなおさら。
勉強もせずに勢いだけで独立開業しようとすると躓きます。見抜かれます。
ちゃんと根拠があり現実味のある収支予測が必要です。
気持ちだけで「○○○万円の総売上!」みたいな無理な数字じゃダメです。
これから独立して経営者になるのであれば、適当ではなくよく考えて計算してみましょう。
これからオープンする美容室の経営の指標となりますから。
という具合に簡単に完成するものでもないのが事業計画書です。
今回で2回目の事業計画書作成と融資審査でしたが、無事借り入れできました。
正確に言うなら数えてはいませんが、何度も何度も事業計画書は練りに練って書き直しているので、2回どころではありませんけど。。
美容室の事業計画書は経営の指標となる
なとな〜く経営している。経営出来ている。という友人もいます。
サロン規模でだいぶ変わるでしょうが、なとな〜くでも出来なくはないというのが本音です。
多分やれなくないです。むしろ、個人経営の多いこの業界では「なとな〜く」の方が多いかもしれません。
なんとな〜くの度合いは人それぞれでしょうけど。
でも、もしスタッフを雇用してサロンを大きくしていこうと考えているのであれば、事業計画はしっかりと立てましょう。
この先、お金も勉強も必要となるはずです。
必要なお金を作るためにも経営の指標が必要となります。
- いつから、どのくらいの売上で、自分に利益がで始めるのか?
- 利益を大きくしていくためには何が必要なのか?
事業計画書を作ってみると、色々と気づくこともあるし、お店をやっていく上での必要最低限のお金がわかります。
ちゃんと理解していれば「儲かった!」ではなく「儲けた!」と言えるような経営を目指せると思います。
美容師でサロンワークしかやってきていない方には最初は大変です。私もそうでしたし。
2回目でも手こずったくらいですから簡単ではありません。
私の最初の事業計画書のことを書いた記事も参考にしてください。
↓↓
『美容室独立開業のための事業計画書の完璧な書き方』