客単価の高い美容室にするにはスタッフの意識改革が絶対大事
2019.07.02
美容室経営者にとって『客単価』はすごく重要なこと。
目標客単価の設定でどのような美容室経営をしていくのかが決まってくる。
美容室を経営するということは、利益を出すために経営していくわけで、どうやって利益を出していくのか必ず考えるはずです。
その時に切っても切り離せないのが客単価となります。
これはやり方なので低単価、高単価、もしくはエリア平均単価にするかは経営者次第。
私は、エリア平均単価よりも高単価の美容室を目指して経営しています。
そして、客単価を高く設定して経営していくために重要なことの1つがスタッフの意識と考えます。
美容室の客単価を高くしたいならスタッフの意識を変えるべき
自分の美容室の客単価をエリア平均よりも高く設定したなら、働くスタッフの意識調査をしてみるといいと思う。
私の話になりますが、私の小規模美容室の平均客単価は固定客9,600円、新規客8,300円という状況。(まだオープンして数ヶ月なので変動していくでしょうが)
美容室の場所は、田舎といえば田舎になるが急行も止まるし、東京都心まで急行で1時間ちょっとの場所。
エリア平均の予想客単価は5,000円台。(都心ほどではないが価格競争は起きている)
安い美容室のカット料金が2,000円くらい、高めな美容室が4,000円以上。
こういった感じである。
オープンする前から客単価9,000円以上になるように設定したので、今の所計画通りには進んでいる。
しかし、初めは大変だった。何が大変だったのかというと、働くスタッフが「高すぎる」と思っていたことです。
これではうまくいきません。
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美容室スタッフが「こんな高い料金じゃお客様はこない」と思っている
ダメです。まずここから変える必要があります。
確かにエリア平均よりも高めの値段設定だと、客数は少ないかもしれません。
でも、それは単価と客数という関係性でいえば間違いではありません。
働くスタッフ自身が
- 料金が高いからお客様が呼べてない
- 高すぎるからお客様がリピートしない
という意識だったりする。
まぁ、気持ちはわかります。でも、めちゃくちゃ高いのかといえばそういうわけではありません。
料金が高い=お客様が来ない=私たち(スタッフ)の力不足ではない
みたいに考えているスタッフもいる。
そうじゃない。
私は、言いました。
「技術やサービスを提供している美容師自身が高いと思いながら、お客様を担当していてはお客様の満足度が低くなる」
これ本当です。
大事なのは、その料金以上の価値を提供しているという意識を持ってお客様を担当することです。
これが出来ないスタッフ、これを意識しないスタッフはいます。
自分が高いと思っているものを売るな
例えば、不動産営業マンが高価な家を売っているとする。その物件を見に来たお客様に営業マンは売り込み(営業)するわけです。
その時に、営業マン自身が「この物件高すぎるんだよな…」、「誰も買わねぇよなぁ…」なんて思いながら営業していたら、売れなくて当然なわけです。
高いと感じるかどうかはお客様次第であるし、大事なのはその物件の値段ではなく、お客様がその物件に住んだ時に得られる価値(魅力)を伝えることです。
高い、高いと料金ばかり気にしてお客様を担当しても、いい仕事なんかできるわけがないんです。
自分の提供する価値(技術・サービス)に自信を持て
まずは、この気持ちにならなければ美容室の客単価は高くなりません。
- 私たちが提供している技術やサービスがお客様の生活を豊かにする。
- 私たちが提供している技術とサービスは値段以上の価値を提供している。
こういう意識を持って仕事することが重要なわけです。
サロンコンセプトのもと自分たちが提供する価値に自信を持つ。
そういう意識になれないスタッフには特徴がある。
今までの価値観を変えれない美容師では客単価UPは難しい
私のサロンに入社してきた年齢高めの女性美容師がいる。(すでに退職済みだが)
やはり、料金が高いからお客様が来ないという意識でいた。
その料金が高いというのは、今まで働いてきた美容室の料金を基準に考えてしまうからです。
前職までの労働環境が大きく左右する
それはわかります。
でも、なんでうちに応募してきたのかと言えば「安売りで回転率重視のサロンワークに限界を感じ疲れた」という理由であろう。
なら、意識を変えてくれ。
今までの価値基準を忘れてくれ。
と思うわけです。
それが嫌で転職してきたのに前職での考えを持ち込むのはすでに違うわけで、それが変えれないのであれば前職のような環境で働けば良いのです。
お客様は、
- 高いから行けないと思えば来ないし
- 高いと思っても行きたいと思えば来る方もいるし
- 高くはないと思って来る方もいる
自分たちだってそうですから。
「行きたいな!」と思っても、料金が払えなければ当然行かない。行けない。
払える料金なら行ってみるかもしれない。
むしろ、料金は気にせず提供してくれる価値に期待して行くこともあるかもしれないわけです。
自分が高いと思っている料金でも来てくれるお客様がいるわけです。そのお客様に「こんな高い料金戴くのは申し訳ない…」と後めたい気持ちで仕事することが、そもそも来てくれたお客様に対して失礼だということをわかってほしい。
せめて「この高い料金を頂戴するのだから頑張らなくては」ぐらいの気持ちでいてほしい。
エリアの相場で考えるのも一旦忘れてくれ
「〇〇(地域)でこの値段じゃお客さんは来ない」というその考え、1度リセットしてください。
確かに地域ごとの相場はあります。
お客様の高い安いの判断基準は、エリア内にある多くの美容室の料金をもとに決まってくるからです。
相場よりも高めの値段設定なら、高いと感じるお客様も多くなります。
でもです。高いとお客様が来ないというのは、あなたの価値基準であってお客様のものではない。
勝手にそう思っているだけで、そう決めつけているのはあなただけですよ。
とは言いませんでしたが、違う伝え方はしました。
要は、働く美容師と美容室を利用するお客様の金銭感覚を同じものと考えているんですよね。
このエリアで働く自分、このエリアにお住いのお客様の高い安いの考え方は同じと思っているんです。
私からしたら、そんなこと勝手に決めつけるのはおかしい!です。
なぜなら、ちょっと極端な話ではありますが、
自分の月収よりも高いブランドバッグを売ってる販売員が、その販売店に買い物しに来るお客様の月収も自分と同じ。とは考えないでしょう。
ハイブランドな商品を販売しているスタッフは、自分たちが販売している商品に自信を持っています。
ご来店したお客様のことを「このお客様にはうちの商品は買えないだろう」なんて、勝手に決めつけたりはしないのです。
買える、買いたいという興味を持ってご来店しているお客様である。そういう意識です。
地域の話ではないですが、同じように考えてほしいです。
地域の美容室の相場から勝手にお客様のことを決めつけてはなりません。
客単価の高い美容室経営をしたいならスタッフ教育が大事
人の価値観ってどうしても今までの環境である程度決まってきてしまいます。でも、お客様も同様の価値観を持っていると考えることは間違いです。
美容師の平均年収は決して高いとは言えません。
美容師としての給与が低いうちは、どうしても節約志向が働きやすく値段の高い安いに敏感です。
私もお金がない時代も過ごしてきているので気持ちはわかります。
「自分ならこの料金は払えない、払いたくない」
こう思ってしまう。
美容師としての自分の収入で考えたときに、美容室にこんなお金は掛けれないと。
じゃあ、こう考えてしまうスタッフの給与を高くすれば良いのかと言えば、そんな単純な話でもない。
結構難しい話になる。
美容室のコンセプトやターゲット、営業スタイル、経営者の考えなどで教え方も違ってくるとは思うが、まずはスタッフに自信をつけさせることが大事です。
それには、
スタッフが高いと感じる料金でもお客様を呼ぶ
会社が集客を頑張ります。
単価高めにして集客ができなければ、スタッフのモチベーションは上がりません。
「やっぱりこの料金じゃ来るお客様はいない…」
「高いからこんなに暇…」
と感じさせてはならないです。
ここは、経営者がしっかり考えて集客を成功させる必要があります。
「この料金でもお客様は来てくれる」
「来てくれるお客様はどこに価値を感じてくれるのだろう?」
こういう意識を持たせる必要があります。
次に、
自分が担当したお客様にリピートしてもらう
成功体験をさせる。
料金が高いからリピートしない。定価では来ない。という意識を変えさせることです。
スタッフにサロンコンセプトを理解してもらい、技術・接客マニュアルを徹底して実践してもらえば、100%じゃないにしろリピートはあります。
お客様のリピートが増えてくると自然と自信につながります。
リピートしてもらうための仕組みが重要となるので、経営者がこの仕組みを考えなくてはなりません。
何より体験させることが早い
ミーティングや講習でサロンコンセプトやマニュアルを教えることも大事ですが、サロンワークで実践させ体験させることが1番です。
言葉で伝えて理解させようとしても、今までの環境で作られてきた価値観を変えることは無理です。
「そんなこと言われたって、どうせ無理だよ」と思うスタッフもいます。(思ったことないですか?)
それなので、実際に体験してもらうことで、今までなかった価値観を持ってもらうことが必要です。
大体、価値観の近い人間と付き合うことが多くなるで、どうしても違う価値観を持った人間を受け入れづらくなります。
経営者とスタッフの価値観に違いはあっていいですが、スタッフに自分の価値観を押し付けようとしてもうまくいきません。
スタッフの価値観に近づけつつうまく教育するのがいいかと考えます。
美容室の客単価は収益に大きく関わってきます。
単価の高い美容室、単価の低い美容室、どちらもやり方は違いますが私なら客単価の低い美容室では絶対働きたくないです。
だって疲れるでしょう?