美容室オーナーの【収入=自由に使えるお金】ではなかった。。
2018.01.09
小さな個人の美容室経営者(オーナー)の収入はどのくらいだと思いますか?
月収でいうと100万くらい?70万?そんなになくて40万とか?
実際どのくらいの収入が美容室オーナーの平均なんでしょうね?
私は知りません。すごい知りたいけど訊きづらい。訊かれた方も答えづらいだろうし。
もし、仮に答えてくれる経営者(オーナー)さんがいて『月平均どのくらい利益でてますか?』と質問した時、
「80万くらいだよ~」
と教えてくれたら、どう思いますか?
- すごい!
- うらやましい
- そんなもんか
- そうなるよね
まあ、感じ方は人それぞれでしょうが。
私なら『わりといいな~』と思います。
小さな美容室で個人事業のオーナーが月平均80万の利益を出せていたら、今の時代なら良い方だろうなと。
ただ、自由にプライベートで使えるお金は50万ちょっとになるだろうと私は思います。
たぶん。堅実な経営者なら。
「80万の利益で50万ちょっとしか自由に使えないの?!」と思ったかもしれませんが、たぶんそうなります。ざっくりとした計算では。
【利益=収入】となる個人事業の美容室オーナーのお金の使い方
月収80万だと年収960万で1,000万円近くとなる。税金もそれなりの額となるでしょう。
所得税や事業税、住民税など各種税金の支払いに、ざっくりですが30%くらい持っていかれると思います。
残ったお金を12カ月で割ると56万くらいです。(本当にざっくり計算ですが)
ここから生活費などに充てていくことになります。
- 50万以上あれば余裕
- 50万じゃ足りない
これも感じ方はそれぞれで。
もし私なら、月56万円の収入すべてを自由にプライベートでは使えません。もちろん、自宅の家賃などもここから支払いますし、他余裕があっても使えません。
だって不安ですから。月の利益80万あったとしても不安です。
56万の内6万円は事業の為に貯金します。もちろん個人的な将来のためにも貯金もします。
そうすると、さらに使えるお金が減ります。ちょっとした贅沢なんてしてる余裕はわずかでしょう。
たぶん、堅実な美容室経営者であればこんな感じになると思います。
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運転資金とは別に事業用の貯蓄は必要
個人事業の美容室オーナーの収入は単純に【売上 – 経費=所得】となります。
当たり前ですが、自分の収入です。自分の好きなように使えます。旅行、買い物など自由に使っていいお金です。
ただ、気を付けなければならないのが『美容室経営を事業としている』という事を忘れてはなりません。
個人事業の美容室オーナーが収入のすべてをプライベートで使ってしまったら、事業でお金が必要になった時に困ります。例えば、
- ボイラー壊れて交換
- 求人広告出したい
- 今月赤字で店舗家賃、人件費が払えない。
みたいな、数十万円単位のお金が必要となった場合どうしますか?
銀行から借りますか?借りれますか?借りれたら返せますか?
美容室の経営で資金が必要となったときは、オーナーが負担するしかないわけです。個人事業主ですから会社とは違います。会社としてお金を出すのではなく、オーナーが身銭を切るしかありません。
個人事業の美容室オーナーの収入は事業のためにも必要
会社の口座があるわけでもなく、個人の口座から必要とされるお金を出すんです。個人の口座にお金が無ければ何もできません。
個人事業でも美容室オーナーであれば、事業用とプライベートの銀行口座はしっかり分けておくべきです。分けなくても問題ないし、美容室経営もしていくことは出来ます。
考え方としては”美容室を個人事業主で独立開業する時の知っておくべき口座開設のこと”を参考にしてください。
要は自分次第。
私は、所得の中から貯金していっていますが、事業用とプライベートは分けて考えて貯金しています。
例えば、毎月56万使えるのであれば、
- 事業用で6万円を定期積金
- プライベートで10万円は普通預金
のように分けています。
美容室経営で必要となるかもしれないお金を積み立てます。予想外の出費などに対応できるよう、運転資金として別でも一定額の貯金はしてあります。
それでも、事業のための貯金は必要だと思っています。
事業用の貯金でやりたいことができるように
運転資金が一定額より減ったらその分補充する。運転資金は常に必要だと思う金額を維持しておく。
そして、美容室経営において『やりたいこと』があるときに、それにお金が必要であれば事業用の貯金から投資する。プライベートではなく、仕事でやりたいこと。
美容室で云えば、
- 新しい機器が欲しい
- ホームページをリニューアルしたい
- 採用活動に力を入れたい
- 移転拡張したい
など、何かやりたいことが出てきたときには投資が必要となるかもしれないので、そのための資金として準備をしておく。
やりたいけどお金がない。お金がないからできない。お金借りたいけど借りれる経営状態じゃない。ということにならないようにしておきたい。
美容室オーナーが自由に使えるお金は意外に少ない
と私は感じています。
従業員としての給与所得の時の方が気持ち的に楽でした。今のオーナーという立場より全然自由に使っていました。
意識の違いだと思います。
給与所得の時は、所得税など各種税金が引かれた金額『手取り』ですね。これが自分のためだけにという意識で使えていたものが、経営者になったら違う意識になりました。
結局は自分のためという部分は同じですが、スタッフや店舗を構えると責任が増えます。
今月売上悪い分、家賃が安くなるなんてことないですからね。スタッフに給与支払いを待ってもらうことなんてできないですし。
オーナーになって収入増えても責任も増える
スタッフ雇っていなくてもそうだと思うんです。
私も店舗物件の契約の際は、身内に保証人になってもらいましたから、店舗家賃滞納などで迷惑かけれませんし。スタッフにも生活があるからそこも同じです。
それ以外でも、材料費の支払いや広告費、会計士の顧問料などもあります。払えなくなればそういった関係各所にも迷惑かけることになります。
当たり前ですが従業員としてお給料もらっている時は、そんなこと考える必要もなく責任がありません。
でも、経営者となって事業所得となると違うんです。手取りが増えても責任も増えるので、自由に使えるという意識がまた変わります。
考え方、やり方は人それぞれでしょうが、事業継続のための不安を少しでも減らして気持ちに余裕が欲しいから。不安がゼロになることはありませんが、お金を貯めておくことで事業に対しての安心感が欲しいのかもしれません。
常に安心感を維持するためには事業への投資が必要と思うから。少しでも緩やかでもいいから、右肩上がりの事業でないと下がっていくのが不安だから。
小さな美容室のオーナーなら同じ不安があると思います。
不安な気持ちばかりだとメンタルやられます。だからお金も必要だし、攻めの気持ちでいることも必要だと思っています。
まとめ
『美容室オーナーの収入』気になるとこですよね。
経営者になってみないと実際わかりません。なったらなったで考え方が変わるかもしれません。
【美容室の利益=オーナーのお金=自由に使えるお金】ではないと私は思います。個人事業主の場合です。
収入を自由に使えるという意識は、給与所得の時の方が間違いなくありました。
「オーナーになって収入増えたら◯◯◯」と考えているかもしれませんが、簡単なことではないでしょう。
事業所得になり、経費が使えるようになるので節税は可能になりますけど。これも安易に考えず会計士さんにお願いして判断してもらったほうがいいでしょう。
当然、会計費用も必要となるのでお金も掛かりますが”美容室経営には会計事務所が絶対必要だと思う4つの理由”があるので、信頼できる会計士さんを見つけたほうがいいです。
みんなが気になるオーナーの収入、あればあるだけ使ってしまうというオーナーもいれば、不安で使えないというオーナーもいるし、事業のために投資していくオーナーもいたりと人それぞれです。
意外と自由なようで自由じゃなかったり。