美容師の私が独立や将来で悩んだ時にやってみた2つのこと
2016.11.08
雇われ美容師も30歳を節目に色々と先のことを考える人が増えると思う。
- 「独立開業しようか」
- 「このまま従業員として何歳まで働けるのか」
- 「独立しないで安定した収入は得られないものか」
- 「全く違う仕事に転職したほうが良いのか」
大体がこのように考え、悩み迷う時期かと思う。
もちろん、美容師に限らず企業に勤めるサラリーマンでも同じように悩む時もあると思うが、美容師はサラリーマン以上に悩み迷う職業かと思う。
なぜ、美容師が『独立or雇われor転職』で悩んでしまうのかというと、【安定していない】ということが1つ言えます。
近年では、少しづつだが美容業界の雇用条件も良い方に改善されてきているとはいえ、こういった悩みは無くならないでしょう。
では、どうするのが正解なのかというと正直わからない。そもそも、正解なんてものは存在しないのかもしれない。
ただ、美容師として今後どうしていくべきなのか迷っているなら、まず2つのことをやってみると良いと思う。独立開業前の私が「独立で悩んだ時」に実際にやってみたことです。
- 美容師としての現状を頭の中で整理する
- 美容師としての今後を想像する
自分の現状を理解し、そこから今後のことを想像することで自ずと答えが導き出されるのではないでしょうか。
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美容師としての現状を整理してみる
美容師として将来のことを考え、決断する必要のある時期が来たら、まずは今までの美容師人生を振り返り、自分が今どういう状況なのかをしっかりと受け止め、頭の中で整理してみるのが良い。
どんなことを整理すればいいのかというと、すごく簡単なことだ。
スタイリストとしての実力を知る
すぐに把握できるもので言えば『数字』
- スタイリスト歴
- 月平均指名売上
- 月平均指名客数
この3つは、スタイリストであれば当然わかっていることだろう。
この3つの内の、『指名売上、指名客数』の2つがわかりやすい指標になる。指名売上はスタイリストとしての自分の給与に大いに関わってくる数字だし、指名客数はスタイリストとしてどれだけの顧客がいるのかがわかる。
スタイリストとしての自覚があるのなら、常に数字を意識して仕事ができているはずです。この数字を意識出来ていないなら、まだまだ独立を考えるべきではないかもしれない。
例えば、この数字があまりにも低い、スタイリスト歴は長いのに伸びていない。などであれば、独立を考えるには早いかもしれません。
これまでの美容師人生を振り返る
振り返ると言っても、難しく考える必要はないです。
例えば、下記のようなことを思い浮かべてほしい。
アシスタント時代
- 客観的に先輩、後輩からどう見られていたのか?
- 何をどのように学び、それをどう磨いてきたのか?
スタイリストになってから
- 自分の得意とするものはあるのか?
- お客様の支持を得るための術は身につけてきたのか?
- サロンでは下の子の教育を任されている
- 店長として数字や労務管理をしている
これが全てではないだろうが、こういったことを頭の中で整理することはすごく大切である。
美容師という自分をきちんと理解するには、今日までの美容師人生を振り返ってみるのがいい。客観的に美容師という自分を見れるようになると、今後どういう形で美容師を続けていくのが良いのか考えるとき、1つの判断材料になることは間違いない。
例えば、店長職に就いていてアシスタントの教育がすごく得意で、自分のことよりも各スタイリストの売上を伸ばすのが上手だとする。
もし現状、勤めているサロンが規模も大きいなら、そこでマネージメントとして安定した将来が見えてくるかもしれない。
例えば、すごく先輩後輩からの人望が厚く、スタイリストとしても数字で結果が出せている。
であれば、独立開業したらスタッフもお客様も集める事が出来るオーナースタイリストになるかもしれない。
他にも、サロンの中だけでなく、自分という人間の周りにはどういった人がいて、どのような交友関係があるのか。例えば、ウェブデザイナーや不動産の友達がいるとか。
こういった友人と協力関係は築けてきたのかなど、周りで相談・協力しあえる人間がいるというのは大事である。特に経営者となる場合は、こういった人脈は財産とも言える。
美容師としての今後を想像してみる
自分の現状を理解し整理することが出来れば、そこから美容師としての将来を少しは想像できるはずです。
あなたが美容師として、日々いろんなことを意識しながら仕事をしてきたのなら出来るはずです。
『イメージトレーニング』に近いでしょう。
お客様の髪をカットする前に頭の中で展開図を描くのと同じです。
独立開業してうまくいくのかシュミレーションする
美容室を開業して、「雇われの今よりも収入アップできるのか?」
私はこれが大事だと思っています。『オーナーの仕事は自由で楽な仕事』なんてことはない。やることも考えることもリスクも従業員の時より間違いなくある。
経営者になるのであれば、収入アップしなければ割に合わない。リスクも背負って従業員の時より収入を得ることができないような独立はするべきではないでしょう。
独立してすぐに収入アップとはいかないにせよ、2年目、3年目からは雇われの時より高い収入を得る。という計画を立てなければならないと思います。
独立開業して、「自分の思うように経営出来れば収入が下がってもいい」みたいな考えであれば話は別だが。
要は、経営者としてどういった事業計画を立てられるのかということだ。
美容師として独立開業して生きていくのであれば、夢や理想だけでは食べてはいけない。やるからにはしっかり計画して利益を出し続ける必要がある。
どのくらいの規模のサロンで開業するかにもよるが、「どうすれば利益を出していけるのか」という考えのもと、何パターンも想像してほしい。
この時に間違って欲しくないのが、以下のようなことを真っ先に考えないでほしい。
- サロンの内装(雰囲気)
- サロンの名前
- サロンのメニュー
こういったことは、独立開業を本気で決意してからでいいと思う。
まずは、数字で出すことが先決です。私は、独立を決意する前に仮の事業計画を立て、利益が出せそうなのか何度も計算してみました。結構ギリギリな計算結果だったと思います。
雇われ美容師としてうまくいくのかシュミレーションする
独立せずに従業員として美容師を続けていくことで、収入は上げていけるのか?いつまでこの待遇が続きそうか?
しっかりと想像してほしい。
今のサロンで10年後、20年後の美容師としての将来を想像できるのか?
今のサロンで想像出来ないのであれば、他どんなサロンであれば思い描く自分の将来を想像できるのか?
自分がオーナーだとしたら、どんな美容師なら歳を取っても働いていて欲しいと思うか?
美容師は手に職だから定年は無い。なんてことはないと思っている。
50、60才になっても30代と変わらず売上られるとも限らない。
売上が落ちれば給料も減る。
売上が下がっていっても、給料を上げていくには自分がどうなっていく必要があるのか?
従業員として美容師を続けていくのであれば、自分だけでなく美容師として身を置く環境も大切になることは間違いない。
まとめ
美容師を続けていれば迷う時期が必ずきます。独立開業してサロンオーナーになっても迷い続けると思います。
ただ、独立するかしないか将来のことを決めなければならない時が来たら、今回の2つのことをやってみてほしいです。
- 美容師としての現状を頭の中で整理する
- 美容師としての今後を想像する
自分の人生に関わる大事な場面です。
美容室の独立開業は出来ないことではない。誰にでもやれる可能性はある。
独立開業することよりも、その後続けていく事のほうが大変である。
(追記2019’12:もうすぐ7年目、ホントにそう思う)
人にもよるでしょうが、私は独立後の方が何かと悩んでいる気がします。従業員の時より収入は上がっていますが、悩む部分はそこではないんですよね。
独立は勢いやタイミングも大事でしょうが、美容師としての将来像を描けるのか、頭の中を整理してみることをおすすめします。
従業員から経営者になるということは「安定を捨てる」ということでもあると思うので、独立が美容師としての自分の生き方に合っているのかも考えた方がいいでしょう。
追記’2019/06
独立開業で悩んでいる美容師さんは多いと思います。
下記記事も参考になるかもしれません。良かったら読んでみてください。
30歳になって独立しようか悩んで決断できない美容師さんには、こちらも合わせて読んで欲しいです。