わかりづらい美容室独立開業の流れは経験しないと難しく感じる
2017.04.03
『美容師の独立開業』『初めての美容室出店』
美容室の独立開業について説明しているサイトはたくさんあるけど、結局何から始めればいいのかよく分からない。
詳しく丁寧に解説してくれてるけど、どこから手をつけていいのかわからなくなる。
そんな風に思ったことはないでしょうか?
私は独立準備前にネットで調べていてだいぶ混乱してました。ネットがあるから情報が入りすぎて正解が分からないという状態でした。
今ならもっとシンプルに考えて進めていけたと思うので、私(ヒュー)が経験した独立開業の流れを詳しく紹介できればと思います。
(追記2019/6月:この記事は、当サイトで2番目にアクセスのある記事です。小規模での独立開業ならこの流れで完璧かと思います)
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美容室の開業に必要なもの
美容室を開業し経営していくには、【人・物・金】のこの3つが必要です。
「人」で言えば、3人で営業するとなればスタッフという人材が必要でしょう。他にも会計士や設計士、美容ディーラーなど、もっと言えば「お客様」もそうでしょう。
「物」で言えば、サロンという箱や機器、材料、道具などが絶対必要となりますよね。
「金」で言えば、上記の【人・物】を揃えるのに最低限は必要となります。
考え方の違いはあるかもしれませんが、この3つのバランスが大事になります。
例えば、お金が無くてもスタッフは自分の力で集められるかもしれません。
人脈豊かな信頼のおける友人がいれば、信頼できる会計士さんなど紹介してくれるでしょう。でも、スタッフに働いてもらうにしても、会計士さんにお願いするとしてもお金が無くては動いてもらえません。
人を揃えることが出来ても営業するサロンがなければ開業出来ません。その逆で、サロンが出来てもお客様が呼べなくてはお金も作れません。
独立準備に入る前にこの3つをどうやって揃えるのか考えてください。
そして、独立準備に入りましたら、まずは【人】会計士さんを見つけることがいいでしょう。
美容室開業に詳しい会計士が付いてくれれば、そこまで難しくないと思います。私はそう感じました。
美容師の独立出店までの流れ
私が個人事業主としてスタッフ3〜4人規模のサロンでの開業を考えて、独立に向けて動いた時の経験です。小規模サロンです。
サロン規模が大きく違わなければ同じかと思います。
美容室の開業計画は、独立を決意してから物件取得までの期間が1番大事です。
美容室を出店する物件が決まれば、営業開始まではもうすぐです。物件探しは大変ですが、そこまでに「どう動いて何をするか」でスタートが変わり、軌道にの乗れるかどうかが変わります。
少し長いページになっていますが、このページを読み終わった後はすぐに行動に移したくなることでしょう。
1,独立の目的はなんですか?
美容師のあなたはなぜ独立しようと思ったのですか?
独立する理由はありますか?
- ただ単純に今の環境が嫌だから
- とりあえず借入出来るくらい貯金もたまったから
- 周りのみんなが独立していくから
- 年齢的にそろそろ独立しないとと思ったから
もし、上記のような理由だとしたら、少し目的としては弱いかと思います。
独立開業はある程度の条件が揃っていれば出来ます。しかし、美容室を経営し続けていくということは、そんな簡単なことではありません。
もっと強く明確な目的があるべきです。
私が思った目的は1つ、雇われ美容師のときより稼ぐ!収入を上げる!
自分の価値観では、普通に生活して多少の贅沢が出来るくらいのお給料は稼げていました。
ただ、美容師を続けていくと決めた上で、現状維持では将来が不安でした。
プライベートも含めて考えたときに、もっと収入上げてかないと自分の思い描く人生が送れない。
では、どうするのがベストなのかといろいろ考えたときに、当時の私が出した答えが独立開業でした。
もし、あなたが独立しようと思っているなら目的を明確にしてください。
別に収入を上げることを目的にしなくてはならないわけではありません。
ただ、従業員として働いていた時のようにサロンでお客様を担当するだけではありません。経営もしていかなくてはなりません。絶対に達成したいという目的があった方がいいでしょう。
それなので、まずはじめに美容師としての自分は独立するべきなのか、しないほうがいいのか判断すべきです。
もし、独立で迷っているなら”美容師の私が独立や将来で悩んだ時にやってみた2つのこと”を参考にしてください。
本当に独立する意思があれば、自分の中でその気持ちをしっかりと固めましょう!
2,美容室の税務が得意な会計士を探す
どのくらいの規模のサロンを開業するかにもよって必要性が違うでしょうが、基本的には必要だと思います。
私は、お金に関する知識がなく、どう動けば良いのかわからなかったので、信頼できる先輩オーナーに美容室の会計業務を得意としている会計事務所を紹介してもらいました。
融資を受けるとき、人を雇うとき、人が辞めるとき、税務処理のとき、いろんな場面で自分の不得意な部分をカバーしてくれます。
もちろん、時間と労力をかければ自分で出来ないこともありません。私の周りでも1人営業の美容室を経営しているオーナーで、会計士さんにお願いできることを全て自分でやっている方もいます。
ただ、私は会計士さんがいたことで開業までスムーズに進みました。独立を決意した時点で会計士さんを1番に探して相談すればよかったと思いました。
会計事務所を探すときは、顧問先に美容室を多く持つ会計事務所を探してください。絶対です。
美容室の得意な会計士さんを探すにあたっては”美容室経営において会計士を決める時の6つのポイント”を参考にしてみてください。
3,事業計画を立てる
次に自分の思い描く美容室をどのように開店して、どのようにして経営していくのか計画を立てます。
『事業計画書』です。
この事業計画書で、売上や経費といった数字の部分もしっかりシュミレーションし、利益が出せるような計画を立てましょう。
事業計画書が出来れば、会計士さんに見てもらい創業計画書を作ってもらいます。創業計画書は日本政策金融公庫から融資を受ける際に必要となります。
単純にスタイリストとしての「目標売上」とは違います。経営者としてお店を経営していくために、自分が生活していくために、借金返済していくためにどのような経営をして、利益を出していくのかということをしっかりと計画しなければなりません。
この創業計画を立てる際は、融資を受けるためだけに書くのではなく、サロンのコンセプトを決めて、どのように集客していくのかなど、経営戦略までしっかりと考えてください。
お店を経営していく、事業をしていくということの指標となります。
開業しサロンを経営していくなかで、経営状況によって修正する場合もあります。
創業計画書の詳しい書き方は”美容室独立開業のための事業計画書の完璧な書き方”を参考にしてください。
実際に融資を受ける際は、創業計画書の数字の部分に無理がないか、会計士さんと相談しながら作っていくことになるはずです。
4,お付き合いする美容ディーラーを決める
私は1番最初にこれを決めました。
この段階で決まったわけではないですが、美容師として勤めている時代、ずっと付き合いのあった美容ディーラーさんだったという事と、大手の美容商社なので美容室開業者の手伝いをしてきた経験が多いということで、相談してみたのが最初です。
独立開業に関する知識も豊富で相談にも乗ってくれる担当さんを見つけるのが良いでしょう。
取引していく美容ディーラーさんが決まれば、開業に関しても力になってくれるはずです。
ただ、注意しなければならないことがあります。
あなたが現在サロンにお勤めで、そのサロンと付き合いのある美容ディーラーさんにお願いするとします。オーナーとの独立に関しての話が思うように進まなかったとき、要は円満退社出来ない場合ですね、そのオーナーからディーラーに圧力が掛かり、あなたとの取引を断られる可能性もゼロではありません。
私の場合は、円満退社出来ませんでしたが美容ディーラーさんに圧力は掛かることなく、無事取引出来ました。
こういったことも考えられるので、念のため取引したいディーラーさんに「圧力がかかった場合のこと」を確認してみるのが良いでしょう。向こうも答えづらいでしょうが、私は確認しました。
ディーラーさんも「円満退社できるようでしたら、またご相談ください」となるかもしれませんし。
1番理想なのは、勤めているサロンのオーナーが協力してくれることですが、こればかりは話してみないとわからないかと。
それに、美容商材を扱うディーラーさんは他にもありますし、サロンを経営していく上で1社としか取引しないとも限りませんので。
【取引する美容ディーラーを決める】のは物件取得後やオープン前でも大丈夫ですが、決めれるのであれば早めに決めて、協力してもらうのがいいです。
5,美容室を得意とする設計・施工会社を探す
スケルトン物件でも美容室の居抜き物件でも、どちらにせよ設計士さんは必要です。
物件のあるエリアを管轄する保健所に開業の申請をするときには、サロンの図面や材質などの情報が必要になります。
スケルトン物件で美容室を作るのであれば当然お願いしなければなりません。
私は美容室の居抜き物件で開業しましたが、この居抜き物件の状態を確認してもらいました。他にも、保健所に申請するための図面を起こしてもらったり、設備機器の交換までお願いしました。
設計・施工会社さんは、やはり美容室を作ってきた豊富な経験がある所にお願いするのが間違いないと思います。大手ですと美容師なら誰もが知るタカラさんとか、他にも探せばたくさんあると思います。
私は、美容ディーラーさんから紹介して頂いた所でお願いしました。
物件は取得するにも工事するにも、資金的な部分が大きく関係してくるので失敗できません。
あなたに物件を見極める能力があれば別ですが、気に入った物件を美容室に作るのにいくら費用が掛かるかはプロでないと出せません。
信頼できる【美容室を得意とする設計・施工会社】が決まれば、あなたの物件探しもスムーズに進むでしょう。
6,勤めている美容室オーナーに独立の意思を伝える
これは独立する美容師によってもサロンオーナーによっても、状況が人それぞれ違うので絶対ではないです。
独立開業の意思が固まっていて揺らぐことがないのなら、このタイミングで言うのが理想かと思います。
その理由として、オーナーに独立の意思を伝えた結果、
- 応援してくれ、円満退社できる
- 問題なく退社はできるが協力まではしてくれない
- うまくいかず円満退社できない
だいたいは、この3パターンになるかと思います。
このタイミングで伝えれば、どのパターンでも対応できるからです。
【1,応援してくれ円満退社できる】の場合は、オーナーから協力してくれるというありがたい申し出があったら、素直に感謝の気持ちを伝えたら良いでしょう。その上で、協力してもらうのか自分の力でやるのか決めれば良い。
【2,問題なく退社できるが協力まではしてくれない】の場合も、上記同様の対応で問題ないでしょう。
【3,うまくいかず円満退社できない】の場合は、いろんなパターンが考えられます。
- 最悪、その場で解雇
- 期限付きで退職
- なかなか辞めさせてもらえない
- 一向に話が進まない
このような場合は、その都度状況に合わせて進めていくしかないでしょう。
こういったリスクが考えられるので、ある程度お願いできる人たちを先に見つけてからのタイミングで、オーナーに独立の意思を伝えるのが理想かと思います。
美容室を得意としている会計士さんであれば、こういった相談にも乗ってくれるでしょう。
私は、独立を決意してすぐにオーナーに自分の気持ちを伝えました。まずは筋を通して動き出そうと思ったからです。けれど、思うように話が進まず苦戦しました。
まずは、お世話になったオーナーに話をすべきだとは思います。けれど、あなたの人生です。あなたの独立開業の意思が揺るぎないものであれば、リスクも考慮して先に協力してくれる方を探しておくというのは、別に悪いことではありません。
大事なのは、感謝の気持ちを忘れず自分の意思をはっきりと伝えることです。
こちらの”美容室オーナーに独立をしたい意思を告げる前に考えておくこと”も参考にしてください。
7,サロンのホームページやロゴデザインなどの準備
事業計画書も完成し出店エリアやサロン名、コンセプトなどが最低限決まれば、サロンのオフィシャルサイトの制作に入りましょう。
ホームページではロゴも必要になります。
ロゴ(サロン名)は、販促物やサロン内装、看板などあらゆる場面で必要となります。
ホームページを作ると同時にロゴデザインも一緒にお願いできるのであれば、同じ制作会社で頼んでしまうのが良いでしょう。
私も事業計画が完成し経営戦略が固まった段階で、ホームページの準備に入りました。
準備で何かと忙しくなる時期ですが”独立開業時の美容室ホームページはオープン2ヶ月前には必要”です。オープン前からネット上にアップし、オープン告知も含め開店までの進捗状況などを更新すると良いでしょう。
アメブロとかのブログ単体ではなく、しっかりと作りこんだホームページ内にあるブログコンテンツを使いましょう。
7,店舗物件を見つける
自分の理想とする物件に出会えるかどうかは、タイミングもありますので早い段階で探し始めるのがいいとは思います。
しかし、物件が見つかっても勤めているサロンをいつ退職できるかで、開業時期が変わってきます。
退職が決まってもいないのに物件だけ契約しても、退職できるまでの期間も家賃は発生してしまうので、お金が無駄になります。
ただ、いくつかの不動産会社などには希望のエリア、家賃や広さといった物件詳細は伝えておくと良いでしょう。
気に入った店舗物件が見つかれば、設計士さんと共に下見をしましょう。
そして、理想とするサロンが作れそうであれば、申し込みをしましょう。(契約ではないです)
ここまでくると、
- 物件取得にかかる費用
- 内装工事や設備に関する費用
がある程度数字で出せます。必要な金額がわかれば会計士さんに知らせましょう。
自己資金や借入可能範囲額で可能なのか、計算して判断してくれるでしょう。
物件はスケルトンにしろ居抜きにせよ、運やタイミングなどもあるので、独立を決めたらいくつか不動産会社を回っておくと良いでしょう。
もし、居抜き物件での開業を考えているなら”美容室居抜き物件での独立開業で見極めるべき6つのポイント”を参考にしてみてください。
8,シャンプー台などの設備機器を決める
物件が決まれば広さや形なども考慮して、シャンプー台や加温機器類などの設備機器を検討していくことができます。
セット椅子などメーカーや各ブランドでもサイズが違うため、セット面とセット面の間隔などにも影響してきますので、気をつけなくてはなりません。
保健所に開業の申請する際に、クリアしなくてはならない基準があるからです。もちろん設計士さんがきちんと計算してくれるので問題ないですが、設備機器や備品などはサロンの雰囲気にも影響してくるので、設計士さんと相談して決めていくのが良いでしょう。
9,融資の申込
ここまでくれば、美容室の開業にかかる費用がほぼ確定します。
会計士さんんと相談し借入額を決め、事業計画の数字をしっかりと出し、日本政策金融公庫に融資の申込をします。
私の場合は、会計士さんが公庫の担当の人に連絡して面談の予約も取り、立ち会ってくれたので面談も問題なく、融資の審査もすぐに通りました。
やはり会計士さんは必要ですね。
融資が決まれば、物件契約をします。そして、設計施工会社さんに着手してもらいます。
10,事業用口座の開設
融資の審査も通り物件の契約まで済んだら、事業用の銀行口座を新たに開設しましょう。
事業用の口座は以下のようなことで使用します。
- 日々の現金売上を入金する
- クレジットカードでの売上金が入金される
- 従業員の給与支払い
- 店舗家賃が引き落とされる(支払い)
- 材料費やその他経費の支払い
こういった、美容室経営する上で掛かる経費の支払いや日々の売上金の入金など、個人が私生活で必要なお金と切り離した口座となります。
個人事業主であれば自分がもともと持っていた銀行口座でも大丈夫ですが、事業をスタートさせ続けていく上で銀行口座は分けたほうがいいでしょう。
こういったことも会計士さんが詳しく教えてくれます。
事業用の口座開設については”美容室を個人事業主で独立開業する時の知っておくべき口座開設のこと”を参考にしてください。
11、電話番号などのインフラ整備
サロンの固定電話の電話番号やネット回線などの通信環境を準備しましょう。
電話やネット回線が一括で安くなるサービスなどもあるので、よく検討してみるといいと思います。毎月の支払いや事務処理に関してもまとまっていた方が少しですが手間も減ります。
口座引き落としが可能であれば、これも事業用口座から引き落とされるようにしましょう。
小規模サロンであれば、こういった通信環境にかかる費用は毎月1万以内で収まれば良いでしょう。
私は電話回線とネット回線で月7,000円弱とプロバイダー料金1,000円ほどです。
これも固定費として毎月かかるものなので、2年ごとくらいに見直すのが良いでよう。
注意したいのがネット回線です。
今は、ネット予約などのシステムを利用する美容室が多いです。ユーザー(お客様)にとっても大変便利です。
最初から導入しなくても良いですが、後々検討するにしてもネット回線は安定したものを選びましょう。
Wimaxなどのポケットwifiでも問題ないでしょうが、光回線といった有線のものと比べると、通信状態が不安定になることも考えられます。サロンのネット回線は、やはり光回線などの安定している回線を契約した方が間違いないです。
電話番号も取得しなければ、広告媒体などに掲載するときにも困ります。
回線工事が必要となると思われるので、設計士さんにも相談しましょう。
12,スタッフを集める
求人募集する際、有料の求人媒体を使うのであれば、このタイミングがいいでしょう。
設計図ができて、工事開始となればサロン規模にもよりますが1ヶ月もあれば大体完成するかと思います。
求人広告は掲載費用がそこそこ掛かるので、あまり早い段階での募集は資金的にきついでしょう。
オープニングスタッフであれば、まだ人材も集まりやすいと思います。
私は、オープニングスタッフは知人に声をかけ決めることができました。人材確保も独立を決意してすぐに動いておくのが良いでしょう。
13,集客のための広告を出す
オープンまであと2ヶ月くらいともなれば、集客のための広告を出す時期です。
ただ、売上が発生しないオープン前の広告費は、小規模サロンにとって大きな負担となりますが、新規オープンで広告費を削るのは良くないです。何か集客戦略が他で出来ているなら話は別ですが、やはり最初が肝心です。
事業計画で立てた数字達成のためには、単価いくらで何名のお客様が必要と理解しているはずです。集客も経営者の大事な仕事です。しっかり戦略立てて早いうちから実行しましょう。
広告出稿はオープン1ヶ月前からはやりましょう。
14,クレジット決済の準備
オープンまで2ヵ月前後です。
お客様の会計でクレジット支払に対応するのであれば、そろそろクレジット加盟店申請申込をしましょう。
今の時代であればクレジットカードでの支払いは出来るようにするべきでしょう。手数料も掛かりますし、売上の入金も即日とはいかないので、お店の負担は多少なりともあります。
審査などに時間を要する場合もあるので、オープンに間に合わせるには2ヵ月くらい前には申し込みをした方が良いでしょう。
売上が入金される銀行口座は、前もって開設した事業用の口座にしましょう。
サロンのクレジット決済に関しては”美容室のクレジットカード決済サービスは楽天Payで問題ない”を参考にしてください。
15,POSレジなどの顧客管理をどうするか
あなたも使ったことがあるかもしれません。サロンのフロントに置いてあるPCで、顧客情報やスタイリストの売上管理などをすることのできるシステムのことです。
今はクレジット決済やネット予約、他必要な機能などがまとまっているシステムもあるので、自分のサロン経営で必要となるものを検討するのが良いでしょう。
私は、こういったシステムは入れずに紙カルテやエクセルなどで管理していますが問題ありません。必要となる状態になったら検討しようと思っています。
こういったシステムも月額料金が掛かるものが多いので、毎月の固定費となります。小さな個人店であれば、最初から導入しなくても良いと思います。
16、販促物の手配
名刺やDM、ショップカード、メニュー表などの印刷物の手配も忘れずにして下さい。
デザイン案を確認後、入稿し印刷となるので最低でも1ヵ月半前にはデザイン案を確認するのが良いでしょう。
印刷開始となれば2週間はかからず仕上がると思います。
どんな制作物でもそうですが、納期に関しては必ずお願いする会社に確認は必要です。
17,備品や事務用品の準備
ここから先はオープン予定日まで1ヵ月もない頃でしょう。
美容室の営業をスタートするために必要なものを準備していきます。あなたが美容師であれば、営業していくのに最低限必要なものはわかっていると思います。
- フロント、レジ周りで必要となるもの
- フロアで必要となるもの
- トイレなどの衛生品
- スタッフルームで必要となるもの
など、自分で必要と思えるものをリスト形式でピックアップし、1つ1つチェックしていくと良いでしょう。
出店エリア管轄の保健所で決められた衛生機材の準備も忘れずに。こういったものは、美容室を得意とする設計施工会社が教えてくれると思います。
私は、前もって保健所に開業に必要となるものや手続きのことを確認しました。
ちょっとしたインテリアや小物などこだわりたいとこでしょう。私もこだわって探していたら見つけられず、オープン後に少しづつ揃えていきました。もちろん必要な備品は揃えることは出来ました。
18,各種手続き
オープンまであと1〜2週間ほどでしょう。店舗引き渡しも終わる頃です。
保健所への開設届けの申請、保健所のオープン前の立ち入り検査など美容室開業に必要な手続きをします。
税務署への開業届や税務に関する手続きも必要となります。会計士さんが準備し申請までしてくれるでしょう。私は、自分でやってみたかったので、会計士さんに教えてもらいながら手続きをしました。
それと、損害賠償保険があります。これは義務ではないので必須ではありません。
以下のようなときに使えます、
- お客様の耳を切ってしまった
- お客様の衣服にカラー剤が着いてしまった
- お客様がサロン内で転倒、怪我をしてしまった
- 設備品を壊してしまった
など、保険により保障内容も違いはありますので、保険会社に確認は必要です。美容室に特化した損害賠償保険がありますので、そちらを検討するのが良いでしょう。
私は会計士さんに紹介してもらい加入しました。保険料は売上額などによって変わってくるので確認が必要です。
個人店の美容室だと加入していないとこも多いと聞きますが、安心して経営していくのであれば加入した方が良いでしょう。
保険に入っているからとはいえ、100%安心というわけではないので細心の注意は常に必要ですが、自分も含めスタッフにも安心して仕事に専念してもらうためにも、損害賠償保険への加入はするべきだと思います。
19,オープン直前
オープン目前です。
営業に必要なものもが揃っているかチェックしましょう。
カラー剤やパーマ液、スタイリング剤などの材料、他備品や事務用品。
営業開始できる状態になりましたら、スタッフとミーティングしましょう。
以下ようなのことをチェック、
- サロンの回し方
- 予約の取り方
- 会計業務
- オープン前後の掃除
など、営業していく上で最低限のルールはサロンの方針として共有しておくべきです。
そして、実際の営業を想定してシュミレーションをすることが必須です。
あとは、営業していくなかでのミーティングで改善点などを話し合うでしょう。
小規模の個人店でいきなりガチガチのルールを強制するよりかは、随時スタッフの意見を取り入れ良い形で反映させていくのが良いと思います。
こういったことは、サロンやオーナーによっても考え方は違いますし、何よりあなたのサロンです。あなたの思い描くサロンに近づくよう考えるのがベストでしょう。
あと、オープン直後は関係各社や友人、お客様からお祝いが届いたりすることが考えられます。
大きなスタンド式の花が届いたらどこに置くかなど、念のため話し合っておくと忙しい営業中でも対応しやすいです。
私は、オープン初日にスタンド式の花がありがたいことに予想以上に届き、外だけでは間に合わずにセット面1つを花置場として使いました。小さなお店なので大変でした。
それと、お祝いをしてくれた方々へのお礼の手紙も送るべきです。
20,オープン、営業開始
お客様をお迎えできる体制は整っていますか?
ここまでの流れ通り進んでいれば、無事営業スタート出来るはずです。
まとめ
美容室を開業するまでには、たくさんのやらなくてはならないことがあります。
ここまでの流れを見ると大変そうに感じるでしょう。しかし、実際にあなたがやらなくてはならないことは、そんなに多くないです。手続きにしろ、揃えるものにしろ、やってみると大して時間もかからないことも多いです。
大変なのは、開業に必要となる【人・物・お金】をどう準備するのか、どういった計画を立てるのかということです。
美容室の独立開業に詳しく経験豊富な会計士さん、設計士さん、美容ディーラーさんなどが決まれば、どう動けばよいのか導いてくれるでしょう。独立に向けて動き出すと、予想外の問題が起きることも考えられます。その都度相談に乗ってくれ、最善策を共に考えてくれるでしょう。
私はそうでした。十分に自分で計画準備はしましたが、問題が発生し先に進めなくなったとき、会計士さんのアドバイスのおかげで問題をクリアすることが出来ました。
本当に大変で大切なことは、信頼できる人を見つけることだと思います。
十分な準備期間をとれるのであれば、独立開業は美容師として働きながらでも進めて行けます。
間違ってほしくないのが、サロンがオープンしてから経営者になるのではありません。独立開業を決意して、美容室をオープンさせるために動きだした時点であなたは経営者となります。
経営者のあなたが動くしかないのです。
お金を出すのも、責任を取るのも、リスクを背負うのもあなたです。その分、あなたには得るモノがあります。
開業してからが本当のスタートです。
私は、経営し続けていくことの方がはるかに大変なことだと痛感しました。
スタイリストの仕事以外の業務もこなしていかなくてはなりません。慣れてしまえば難しくはないですが、多少の時間は必要となります。
”小規模美容室を経営してる私がやっている日々の事務作業”もその1つです。数字の管理です。大切です。
この記事が独立開業を考えている美容師さんの参考になりましたら幸いです。