美容室が潰れる時はどんな時?わかってないまま独立開業は危険
2019.11.26
会社だと倒産とか言われます。
美容室は個人店が多く会社経営でないとこがほとんどなので、倒産ではなく廃業という方がしっくりくるような。
とにかく「美容室が潰れる」ということは、データ上ではかなり多いこととなっています。
独立開業での出店数も多いが、閉店する美容室も多い。という事実があるわけです。
私も美容室経営をしているので他人事ではありません。
「頑張って作った自分のサロンがなくなる…」考えたくないですが、今では考えておくことも大事だと思っています。
なぜなら、独立開業して美容室を経営していく上で、美容室が潰れるのがどんな時かも知っておく必要があるからです。
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美容室が潰れる時は運転資金がゼロとなる時
ほとんどがこれです。
お金が無くなった時です。
毎日毎日お客様で溢れている状態でも潰れる時はあります。
「たくさんのお客様に来て頂けるようになり売上もだいぶ良かった」なんていう月を迎えても、その月の支払い金額(経費と返済金)が売上額以上で運転資金を合わせても足りないなんて場合。
運転資金が底を突き、マイナスとなってしまうわけです。
美容室潰れます。
『美容室を潰さないために運転資金がめちゃくちゃ重要だと開業して実感した』ので…
現金が大事。計画性も大事。
美容室経営で現金を持っておくことはめちゃくちゃ重要なんです。
売上げではなく現金です。
売上の数字で見るのではなく、現金がいくらあるのか、現金がいくら増えるのかを意識するんです。
「売上が調子いいから車買っちゃえ〜」の前に、口座残高も確認しましょう。
現金一括で車を買ったことで口座残高が一気に減り、売上金と口座残高合わせても支払い分に足りないなんてことにならないように。
私は、常に現金がいくらあるか把握しています。それ見て安心できるから。
安心して仕事頑張れるし、次の投資すべき計画も立てれるから。
売上げも良くてお金に余裕ができてくると、つい贅沢したくなることあります。
美容室オーナーの無駄遣いが店を潰すかも
車、バイク、ブランド物、キャバクラ、不動産、株…使うオーナーいます。
全然使える余裕があるオーナーさんはいいです。羨ましいです。
でも、見誤ってしまう方もいるとのこと。会計士さん曰く。
美容師さんに多い派手好き。
利益が出せているからそれでもいい。
でも、自分の財布と美容室の財布が一緒になってはいけないということ。
「美容室の財布にたくさんお金が入っているから」ではなく、「自分の財布に余裕があるから」でないとダメなんです。
美容室の財布は美容室経営していくための運転資金です。
なんかここがごっちゃになってしまう美容室オーナーもいるとのこと。
私は、自分の財布と美容室の財布は分けています。生活費全般のプライベートな口座と事業用の口座。(会社の口座もあります)
個人事業主の美容室オーナーなら、このように銀行口座を分けておくべきです。
法人経営の美容室社長なら分かれていて当然ですが、個人事業主だと一緒としているオーナーもいるわけです。
お金の動きが見えづらくなります。
「自分には余裕がある」と錯覚します。無駄遣いした結果、美容室経営で最低限必要な運転資金を減らしてしまうことがあります。
節約しろというわけではないですが、自分の余力を見誤ったお金の使い方は美容室を潰しかねないということです。
身の丈を越える事業投資は美容室を潰しかねない
これも大事。
あれもしたい。これもしたい。
なります。余裕が出てくるとやりたいこと増えます。
- 店舗改装
- 人員増
- 移転拡張
- 新店出店
プライベートではなく、事業への投資なので前向きでいいことです。
私も常に考えています。たぶんみんな考えています。
このくらいまでいったら次は…というふうに。
で、今までがなんとな〜くで伸びてきていると、見誤ってしまうことがある。
勢いも大事ですが、本当に勢いだけで計画不十分での事業投資。
例えば、
人を増やしたけど集客が思うようにいかず、人件費が売上を圧迫するようになる。
集客手段が確率されていなく、見切り発車でスタッフ増やした結果。
思い切って移転拡張したけど家賃が高くて利益が出せない。高くなった家賃と借金返済で赤字になる。
融資を受けて移転拡張したけど、店舗家賃が高くなり過ぎて損益分岐点を越えれない。
まぁまぁ、あります。仕方ないことだとも思いますし、結果論とも言えます。
でも、次の事業投資をするときは、今ある余力の何%を使うのかが大事だと考えます。
余力があるから、それ全部使ってとかさらに融資受けてとかはリスクが大きいです。身の丈に合いません。
毎月50万の余力があるなら、40万は運転資金として貯金し、残り10万で出来ることを考える。とか。
これが正解ではなく、ただ身の丈に合った事業投資でリスクを最小限にすることも大事ということです。
(でも、調子が良くて自信付いてくると、リスクをわかっていても初めより大きい事やりたくなります。。)
でも、よく考えるべきです。
そもそも開業資金を見誤って潰れる美容室
これもお金がゼロになって潰れてしまうわけですが、オープンから1年持たずに廃業する美容室も多いです。
だって独立開業が初めてだから「どのくらい運転資金が必要」かがわからないところからのスタートです。
せっかく用意したお金をうまく使えないわけです。
- 内装にこだわってお金を掛ける
- 設定していた店舗賃料より高い物件にする
- 全て新品の設備機器で揃える
- 広告費をケチる(その逆も)
内装にこだわって開業資金を使いすぎる
よく聞きますし、知っています。
私の周りでも「よくそんなに金掛けたね」とか。その逆で「よくそんな安く作れたね」の時も。
とにかく拘る。
美容師だし、自分の理想とする美容室にしたいという気持ちはわかります。
でも内装でお金使いすぎた結果、運転資金が不十分な状態でのオープンで資金がショートしてしまうこともあります。
設定賃料より高い物件を契約しちゃう
私は、これが重要だと思っています。独立前から店舗家賃に関してはかなりシビアに考えていました。
店舗家賃は高い。特に東京都心部。
こんな高い賃料で目標の収入を得るには…と考えると本当に大変。
ただ純粋に美容師としての腕に自信があるからというだけでは、儲ける自信が持てません。弱気ですが保守的に考えて。
集客や人材含め、経営の仕方が重要となります。どこでもそうなんですが、東京都心の賃料で考えるとリスクが大きい。
店舗家賃は固定費ですから、もう絶対毎月出ていくお金です。お客様がゼロでも関係ありません。
私なら事業計画での設定賃料より出来るだけ安くならないか交渉します。
でも、現実的に理想の物件となると賃料が思っていたより高くなることがほとんどです。
独立開業準備中は勢いがあるので、高くても理想の物件が見つかるとそこで決めてしまいがちです。
思っていた以上に運転資金の減りを早めてしまいます。
物件契約は慎重に。
設備機器を全て新品で購入する
別に中古でもリースでもいいと思います。
いきなり「最新の、新品の」である必要性は感じません。
店舗もそうですがスケルトンから理想の美容室を作らなくても、居抜き店舗でも営業できます。
とにかく美容室開業時にお金かけ過ぎるのはどうかと思います。
私は「中古」からスタートしています。居抜き店舗で別に問題ない。中古というだけ。
設備機器はサロンワークにおいて必要不可欠ですが、最低限の状態から始めた方がいいです。
まずは限りある資金の中で優先順位をしっかりと考えて、経営し続けていくことを最優先にするべきです。
美容室を作ることばかりにお金を使い過ぎないことです。
私が居抜き物件で営業してきて思うことが、
『全然使える!美容室居抜き物件での独立開業は問題ない』ということ。
広告費をケチるのも使いすぎるのも…バランスが大事
内装などにお金が掛かったから、集客広告費は最小限にする。
う〜ん。。
どんなにステキなサロンを作ってもお客様が来ないのでは、売上も立たず運転資金が減っていきます。
美容室において集客は最優先すべきことです。
現金が入ってこないと潰れます。現金はお客様が呼べないと入ってきません。
「ニューオープンだし集客できるでしょ!」は大間違い。
私もやってしまったことあるので身に染みています。
内装にお金を掛けたわけではないですが、他集客手段で目標集客出来ると見誤ったこと。
スタートから勢いに乗れないとどんどん運転資金が減っていきます。
それと、この逆で広告費にお金かけ過ぎのパターンも。
サロン規模に見合わないプランでの広告掲載。
ホットペッパービューティーも掲載プランで広告料金が変わるわけですが、いきなり高いプランでの掲載。
美容室の規模や想定客単価などで限界売上がわかるわけですが、この限界売上げに対しての広告費が高すぎるパターン。
例えば、MAX売上げても月の技術売上が150万円が限界なのに、月の広告費が50万円とか。
広告費率30%越えです。
50万の広告費で300万の技術売上ならわかります。
新規オープン時はケチらず適切な広告費を使うべきです。
私がやってしまった失敗が、
『ホットペッパービューティー掲載せずに美容室新規オープンしたら…』で書いています。
潰れる美容室はお金がない!お金を増やしていくことが大事
美容室が潰れる原因は、後継者がいなかったり、創業者の不慮の事故、店舗物件オーナー側の事情での退店などいろいろあります。
でも、単純に「お金がなくて潰れる」ことがほとんどです。
美容室新規オープンから半年待たずに閉店とかは、運転資金が少な過ぎたのかもしれません。
美容室経営でも経営し続けていくためのお金が必要です。
お金は日々の営業で稼ぐことはできますが、経費や借金返済などと売上のバランスが取れていないと、一時的に増えてもすぐに減ります。
ちょっとづつでいいから毎月、毎年お金を増やしていく。運転資金を蓄えていく。
美容室を潰さないためにはお金を増やしていくことです。
私もとにかく減らないように増やしていけるように試行錯誤しています。
正直、大変です。ガンっとへこむ時もあります。
『美容室法人経営の一期目を終えてみて…やばっ!』となったことも。
でも、潰すわけにはいきません。
『美容室の独立開業前に知っておくべきリスク』も参考にしてください。